彼岸花の撮影テクニック

彼岸花の撮影テクニック

 彼岸花の開花時期は秋の彼岸、9月中旬から下旬。球根生で群生し、お墓や畔でよく見かけます。また彼岸花には「死人花」「幽霊花」「地獄花」などの怪しい雰囲気の別名もあります。そんな独特の形状の彼岸花の撮影テクニックをご紹介したいと思います。

カメラILCA-99M2
レンズModel A009
焦点距離135mm
絞り2.8
ホワイトバランスオート
ISO400
シャッター速度1/125
露出補正-1
撮影日時2022/09/22/15:23
撮影場所祖光院

 「曼殊沙華」”まんじゅしゃげ”の呼び名もなじみがあると思います。様々な歌の歌詞にも登場します。山口百恵さんの『曼殊沙華』も有名です。ここで彼女の歌を聴きちょっと花のイメージを作ってみましょう。

よくある失敗例

 撮影に行った祖光院にも多くのカメラ女子が撮影を楽しんでいた。多くのカメラ女子は普通に立ったままの位置から撮影でした。多分高倍率ズームを使っていたのでこんな感じかと思います。

撮影地:祖光院

私もここで撮影してきました。少し場所は違いますがアンダーで撮影するだけで雰囲気が変わります。

撮影地:祖光院

マイナス補正をすることによってアンダー気味に撮影します。しかしまだ花の手前に空きが目立っています。歩き回ってできるだけ密な場所を探しましょう。またしゃがんで低い位置から撮影することにより花の連なりにより密な感地を出します。

ポイントをどこに持ってくるか

 群生している彼岸花は、赤一色の絨毯になり主題を見つけにくいです。林の中では木の幹をアクセントにしてみてはいかがでしょうか。黒い幹が入ることにより、画面が引き締まります。作例では木の幹ではなく切り株を前方に入れ背景に木の幹を入れ暗い部分を作ってみました。

撮影地:祖光院

 群生の中で一本だけ飛び出した背の高い彼岸花を狙ったりしてもいいと思います。下方に彼岸花があることにより群生の中で一倫飛び出しているのがわかります。

撮影地:祖光院

 この作例では、下に群生する彼岸花を排除し、一輪の背の高い彼岸花に対象を絞り、背景に球ボケを入れてみました。

撮影地:祖光院
撮影地:祖光院

 これは黄色い彼岸花(正しくはショウキズイセン(リコリス)という別種らしいですが、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の花らしいので彼岸花です)。

 数は多くありませんがこの黄色い彼岸花を背景ボケに入れて撮影できそうな場所を探してみました。しばらく見渡していると、ありました。さっそく赤い彼岸花の背景に黄色い彼岸花をぼかして撮影してみました。赤い彼岸花に黄色い背景はまた彼岸花の美しさを際立たせていると思います。

撮影地:祖光院

上から花全体を入れて撮影する

 真上から撮影すると放射状に広がる花を撮影できます。中心に入れることにより彼岸花を真上から見た形がよくわかると思います。花全体を入れる場合、背景は地面になるのでうまく処理したいものです。

撮影地:祖光院

 彼岸花は花の形からシルエットでも一目で彼岸花と分かります。空を背景に下方向から見上げるように撮影してみました。

撮影地:祖光院

マクロレンズで切り取る

 花の撮影においてはマクロレンズを使って大胆な切り取りをしても面白いと思います。

 雨上がりに彼岸花についた水滴をマクロで切り取る。これなら畔に咲いている数本の彼岸花でも絵にできるのでお勧めです。またフラッシュ等で光を加えるとまたつやのある写真になります。ただし有名な彼岸花の撮影スポットは三脚ライトスタンド禁止、また禁止をうたっていなくても周りに人が多いと迷惑になるので使用は控えてください。

花は光が当たると美しい

 彼岸花に限らず花は光がないとくすんだ感じになってしまいます。そこで天気のいい日に撮影に臨みたい。光があると鮮やかな赤色の彼岸花が撮影できます。よく花は逆光で撮影するのがいいといわれるが、順光と逆光では雰囲気が違うので両方撮影しておくことを勧めします。今回はあいにくの天気だったため陽光を入れた写真は撮れませんでした😥

 木々の隙間から差す光が群生の彼岸花の一部を照らしそこが明るく輝く場所を狙ってもいい。その場合は明るく光の当たっている彼岸花に適正露出とします。そうすると光の当たっていない周りの彼岸花は暗くなり明るく光に照らされた部分の彼岸花が目立ちそこに目が行きます。群生している彼岸花を撮影する場合そのようにして目の行くポイントを作るといいです。

最後にマイナーな曲ではあるが浅川マキさんの『港の彼岸花』

やはり彼岸花には悲哀が漂う。思いっきりアンダーに撮影された彼岸花が俺は好きだ。

お勧めのレンズは70mm~200mmf2.8通しの望遠ズーム。有名な場所ではロープなどで仕切られ群生地に入れない場合も多いので望遠ズームが便利です。